無添加食品の真実

スーパーに行くと、たくさんの食品が並んでいます。

あらゆる食品に「合成保存料を使用していません」「無添加」と表示されていますが、これって本当なのでしょうか?

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無添加食品の種類

実は、無添加表示には行政で定められたルールはありません。

あたかも「食品添加物ゼロ」のイメージを思わせるような表記で、メーカーの謳い文句となっています。

消費者も「無添加」を基準に物を買う方が増えたので、当然メーカーもなんとか「無添加」とパッケージに書けないか、いろいろな表記を考えています。

無添加を謳っている食品は大きく3種類に分けられます。


「香料・砂糖・食塩無添加」「保存料無添加」など、一部無添加のもの

「香料・砂糖・食塩無添加」ということは、裏を返せば、それ以外は添加物を使っているかもしれないということ。

野菜ジュースや調味料でよく見かけます。


「保存料は使用していません。」と書いてあっても、保存料と定められている「ソルビン酸」や「安息香酸」を使っていないだけで、それに変わる添加物を使っている食べ物がたくさんあります。

それより効果が弱い「グリシン」「酢酸ナトリウム」を大量に使用すると、保存料を使った場合と同じ効果が期待できます。(PH調整剤と表記されています。)

しかも、保存料ではないために、使用料の基準がありません。


パッケージには、大きく「無添加」と表記があって、隅の方に小さく「香料・砂糖・食塩無添加」「保存料無添加」と書いてあることが多いです。


原材料には添加物を使用しているが、省略しているもの

原材料には食品添加物を使用しているが、「栄養強化剤」「加工性剤」「キャリーオーバー」により、添加物表示が省略できるので、「無添加表示」で販売されています。

なので、厳密に言えば、「製造工程では添加物を使用していないが、原材料には添加物を使用している」ということ。

厚生労働省では、使用した食品添加物を全種類明記することと定めていますが、表記を省略してもいいものがあります。


栄養強化剤

  • ビタミン類(L-アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、β-カロテンなど)
  • ミネラル類(亜鉛塩類、塩化カルシウム、塩化第二鉄など)
  • アミノ酸類(L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-イソロイシンなど)

これらの物質を食品の栄養強化の目的で使用する場合は、表示が免除されます。


加工助剤

  • 最終的に食品として完成する前に、食品から除去されるもの
  • 食品中に通常存在する成分に変えられ、かつ、その成分の量が食品中に通常存在する量を有意に増加させないもの
  • 最終食品中に、ごくわずかなレベルでしか存在せず、その食品に影響を及ぼさないもの

例えば、砂糖を作るとき、イオン交換樹脂、水酸化カルシウム、活性炭を使いますが、製品完成までに取り除かれますので、表示を省略できます。

みかんの缶詰には皮を溶かすための塩酸、大手パンメーカーの改良剤としての臭素酸カリウムがこれに当たります。


キャリーオーバー

原材料の加工の際に使用されるが、次にその原材料を用いて製造される食品には使用されず、その食品中には原材料から持ち越された添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないもの。

せんべいの味付け用に、安息香酸(保存料)を使用したしょうゆを用いたとしても、当該添加物が最終食品であるせんべいの保存料として効果を持たない場合にはキャリーオーバーに該当します。

パンで言えば、酸化防止剤入りのマーガリンを使っていたとしても、パン全体で考えると、少量は微量となり、パン自体には酸化防止剤としての効果はないので、表示義務はありません。


本当の意味での無添加食品

缶詰やレトルトパウチ、冷凍技術によって、保存料は使わなくても長期保存が出来るようになりました。

ただ、本当の意味での無添加食品・・・これは相当に難しいと思います。


どこのラインから「無添加」と定義するかにもよりますが、加工助剤やキャリーオーバーも該当しないものとなると、砂糖や食塩、もっと広げれば、塩素を添加している水道水も使えなくなります。

実際にここまでこだわった無添加食品はあるのでしょうか?

食品を取り扱うのに製造機械や容器などの洗浄、製造に携わる人の手や指の消毒は必須ですが、消毒に使用している次亜塩素酸ナトリウムは・・・

もうわけがわからなくなってきました。


「無添加」はイメージにしかすぎない

ごく一部の食品添加物に弱い発がん性が認められると、メディアはそれを大々的に取り上げて報道してきました。

それにより、消費者の多くは「食品添加物は危険」と思っています。

ですが、多くのメディアは食品添加物の安全性について報道しません。

そして、無添加食品への期待が高まり、メーカーも商品の販売量アップに「無添加」の表記を武器にしています。


本当の意味での無添加食品をスーパーで販売したら、おそらく食中毒が多発して大変なことになります。

本来、食品は、カビや細菌にとっても食べ物なわけで、日持ちさせるためにはどうしても食品添加物が必要です。

どうしても本来の無添加にこだわるならば、それは自給自足よりほかありません。


メディアに洗脳された消費者の期待とメーカーの無添加戦略。

歪みを感じてなりません。

「無添加」という表示を見たら、何が無添加なのか?

どういう意味なのか?

いいものなのかどうかを自分で判断する時代になったということでしょうか。

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