古い着物と新しい着物の付き合い方

何千枚も、もしかしたら何億枚も着られていない着物が日本のタンスの中にあると思うんです。

それって日本の資産。

今だからこそ、その眠っている着物を上手に着回して、活用することができれば…

もっと安価で着物を購入することができるだろうし、手軽に日常でも着物を着ることが出来るかもしれません。


昔の人達の想いが込められている着物

昔の職人さんは、機織り機の音が大きいために難聴になった人が多くいらっしゃったそうです。

私の母親もそうでしたが、金銭的に高校もなかなか行けなくて、若い娘さんは繊維工場で徹夜で働き、そのお金で高校行ったそうです。

もし、そこで事故があったとしても、会社になんて全然責任持ってくれません。


朝ドラの「ひよっこ」で言われていましたが、「金の卵」世代の人達が必死に織った布や着物が、袖を通すことなくタンスに眠っているんですよ。

そういう着物を、今の自分たちがちゃんと着てあげて、余裕が出たら新しいものを作るというのが、良いんじゃないのかなって思うんです。

そうすることで、昔からの「想い」も引き継ぐことができます。


私のところに着物持って来てくださるお客様が結構いらっしゃいます。

タンスの中にいっぱい着物を入れて嫁入りした時代の方々。

そのほとんどは、一回も着ることもなく眠っているそうです。

「その着物を着ている姿を見たい」「作ってくれた親にも面目が立つ」

そんな想いから私のところに持ってきてくれるんです。


新しい着物の存在価値

現在、着物に携わって頑張ってる職人さん達にも、少しは潤いが行き渡るように…

自分がどういう場面でフルオーダーメイドの着物が欲しいのか?

そういうところをちゃんと見極めた上で着物を作ってもらえば、着物を衝動買いしたり、無理強いされて買ってしまって首が回らないなんてこともないと思います。

まずは、着物にふれて、着付けて、慣れること。

「何が欲しいか」「どんなものが欲しいか」がわかってから、お値段の張る「フルオーダーメイドの着物」に挑戦してみてはいいのではないでしょうか?

古い着物と新しい着物の付き合い方